Expert Adviceを用いた緑内障進行予測の研究

檜垣 元秀
2014/4/16 (水), 15:00-18:00
東京大学 工学部6号館 235号室

 緑内障は時間的に進行する疾患であり、その経過を予測することは治療計画を策定する上で役に立つため、予め蓄積された多数の患者データを用いて進行予測を行う方法がいくつか提案されてきた[1][2]。
 本研究では、予測対象の患者以外の緑内障患者のデータに対してそれぞれ線形回帰を行って想定される進行パターンを割り出した。次に、既存の予測手法を用いて患者をクラスタリングしたのち、クラスタごとに回帰を行って構成された1 つの進行パターン、クラスタリングに基づいて各患者のデータを修正して得られた進行パターンを作成した。これらの進行パターン群に対して、学習器をまとめる方法として知られているExpert Advice を適用して予測を行った。さらにこれらとは別の、異なる枠組みによる予測手法を加えてExpert Advice を行う方法も提案した。実際の患者データを用いてそれらの有効性を検証し、既存手法を上回る予測精度を達成した。

参考文献
[1]B.Bengtsson, V.M.Patella, and A.Heijl: Prediction of glaucomatous visual field loss by extrapolation of linear trends. Arch Opthalmol, Vol. 127, No. 12, pp. 1610-1615, Dec. 2009.
[2]Z. Liang, R. Tomioka, H. Murata, R. Asaoka, and K. Yamanishi: Quantitative Pre-
diction of Glaucomatous Visual Field Loss from Few Measurements. Proc. IEEE International Conference on Data Mining (ICDM’13), Dec. 2013.