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離散変分導関数法とArakawa-Lambスキーム

担当:杉渕 優也

題目:離散変分導関数法とArakawa-Lambスキーム

概要:
 方程式の数値計算手法のひとつに、構造保存数値解法と呼ばれるものがある。これは、解の大域的な構造を離散計算でも再現するような手法である。構造保存は、計算速度・精度・安定性と並んで重要なファクターの一つである。
 応用数学分野においては、偏微分方程式に対する構造保存数値解法として離散変分導関数法が提唱されている[1]。
 一方、地球物理学分野においては、浅水波方程式の保存量であるエネルギーとエンストロフィーを離散系でも保存するArakawa-Lambスキームと呼ばれる数値スキームが存在する[2]。
 そこで本研究ではこの両者を比較し、その関連性について探った。その結果、両者は連続系での構造を離散系でも再現するという根本的な考えは共通していたが、前者は時間方向、後者は空間方向にエネルギー変化を考えていて、異なるものであるということが分かった。

参考文献:
[1] 降旗大介(2013), 「構造保存数値解法入門―離散変分導関数法―」, 応用数学勉強会, 芝浦工業大学
[2] Salmon R.(2004),Poisson-Bracket Approach to the Construction of Energy- and Potential-Enstrophy-Conserving Algorithms for the Shallow-Water Equations, Journal of the Atmospheric Sciences, 61,2016-2036