担当:奥戸 道子
題目:ハミルトンモンテカルロ法
概要:
ハミルトンモンテカルロ法(HMC)[1]はマルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)の一種で,直接サンプリングが困難な分布からのサンプリングを行う方法である.基本的なMCMCのアルゴリズムであるMetropolis法には状態空間を横切る移動距離がステップ数の平方根にしか比例せずランダムウォークの振る舞いを示すという制限があるが,HMCは棄却確率を低く保ったままシステムの状態に大きな変化を起こすことができる.HMCのアルゴリズムにはHamilton系の時間発展の数値計算が組み込まれており,それが棄却率を低く保ったままサンプル間の相関を低くする要因になっている.
本発表ではHMCのアルゴリズムの紹介をした後,HMCについての最近の研究成果を紹介する.
参考文献:
[1] R. M. Neal: MCMC Using Hamiltonian Dynamics. Handbook of Markov Chain Monte Carlo, Chapman and Hall/CRC Press, 2011.