担当 : 小林 勇也
題目 : テンソルトレイン分解 (文献紹介)
概要 :
各要素にデータが格納された多次元配列のことをテンソルと呼ぶ. テンソルを少ないパラメータ数で表現できる形に分解することは多次元データを圧縮できることを意味し, CP分解, Tucker分解など様々な分解形および分解アルゴリズムが提案されている.
従来のテンソル分解は空間/時間計算量の面で次元を指数に持つ構造であったため, 高次元データを扱うことができなかった. I. V. Oseledetsは次元に関して線形なパラメータ数でテンソルを表現でき, 次元に関して線形な計算量で各種基本演算をおこなうテンソルトレイン分解を文献[1]で提案した.
本発表では初めにテンソルトレイン分解を紹介し, テンソルトレイン分解を用いてFokker-Planck方程式を解くことを試みた文献[2]に触れる.
参考文献 :
[1] I. V. Oseledets. Tensor-Train Decomposition, SIAM Journal on Scientific Computing 33, 2295-2317, 2011.
[2] S. V. Dolgov, B. N. Khoromskij and I. V. Oseledets. Fast solution of multi-dimensional parabolic problems in the TT/QTT-format with initial application to the Fokker-Planck equation, SIAM Journal on Scientific Computing 34 (6), A3016–A3038, 2012.