対称固有値問題に対するリスタート付きのRayleigh-Ritzの技法の収束性について

相島 健助
2014/7/2 (水), 15:00-17:00
東京大学 工学部6号館 235号室

 対称固有値問題の解法としてRayleigh-Ritzの技法がよく用いられる.Rayleigh-Ritzの技法とは,ある部分空間への射影により(対称)固有値問題を解く技法であり,部分空間にKrylov部分空間を用いる場合が Lanczos 法に相当する.Lanczos法に限らず一般にRayleigh-Ritzの技法を用いる場合,高速化及び安定化のためリスタートと言う戦略を導入するが,これにより固有対へ収束の理論保証が難しくなる.本発表では,リスタート付きのLanczos法の大域的収束性に関する研究について詳しく述べるとともに,他のRayleigh-Ritzの技法に対し大域的収束の理論保証に必要な一般的な条件について議論する.