一般化Ostrovsky方程式の特異性に関する数値的研究

担当:加藤 翼

題目:一般化Ostrovsky方程式の特異性に関する数値的研究

概要:
 Ostrovsky 方程式は,コリオリの力などを考慮した方程式で,海の内部波や表面波などを表す[1].この方程式は,その後Levandosky-Liuらにより一般化Ostrovsky方程式へと拡張された[2].数学的観点からは,Ostrovsky方程式は適切な条件下で時間大域的な解を保つことが知られているが,一般化Ostrovsky方程式に対しては,同様の結果が成り立つと考えられているものの決定的な結果はまだ得られていない.
 そこで本研究では,一般化Ostrovsky 方程式の解の時間大域的存在について数値計算を用いて検証した.本手法は,一般化Ostrovsky方程式と同様の性質を持った一般化Benjamin-Ono方程式の研究に用いられた手法と,Ostrovsky方程式のノルム保存を実現した手法の大きく2通りの手法を基とし,一般化Ostrovsky方程式へ利用可能な手法を提案し,それらを用いて数値計算を行った.

参考文献:
[1] R. H. Grimshaw, L. A. Ostrovsky, V. I. Shira, Y. A. Stepanyants, Long nonlinear surface and internal gravity waves in a rotating ocean, Surveys in Geophysics, 19 (1998) 289-338.
[2] S. Levandosky, Y. Liu, Stability of solitary waves of a generalized Ostrovsky equation, SIAM J. Math. Anal., 38 (2006) 985-1011.